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現場実態示すアンケートに3569件の協力/賃上げ要求高まる

2019年10月18日

 毎年とりくんでいる「賃金アンケート」は、建設労働者の現場実態を具体的にあきらかにして、自治体への要請行動や大手企業交渉等の運動に生かしています。このとりくみは京建労も加盟する全建総連(組合員62万人超)が全国規模で集約し、その集計(例年約13万件)にも反映させて、国交省をはじめ国会議員要請にも生かされています。現在、国交省が行っているWEBアンケートや建設産業局長名で出される「技能労働者の適正な賃金水準の確保について」の文書など、国の「建設業における処遇改善等に向けたとりくみ」に影響をあたえる重要な活動となっています。
5月~7月にアンケートへの協力をよびかけた、2019年4月度の就労実態について、前年を上まわる回答をいただき、3569枚・回収率21%となりました。記入・回収に奮闘された皆さんに御礼を申し上げて特徴点を報告いたします。
協力いただいた全体の平均年齢は、54・4歳でした。また、階層別の回答者の割合は、「労働者」が30・5%、「一人親方」が45・2%、事業主が24・3%となりました。昨年は、「労働者」30・6%、「一人親方」45・9%、「事業主」23・5%でしたので、「事業主」が若干ふえました(2017年度並に回復)。仕事先については、「町場」53・4%、「地元住販」17・5%、「大手住販」11・5%、「野丁場」(ゼネコン)17・6%となっています(昨年、町場54・7%、地元住販16・2%、大手住販11%、野丁場18・1%)。

国策35.8%増となるも、労務費は現場に届かず

 階層別の平均賃金日額は、労働者(常用)で、1万4572円と昨年比161円増(一昨年比442円増)、労働者(月給)は、32万5639円で昨年比4671円増(一昨年比1万4441円増)、手間請の一人親方は、1万8283円で昨年比422円増(一昨年比404円増)となりました。
一人親方の材料もちで、わずかではあるものの昨年度結果から36円の減少となっています。
平均就労日数では月給制の労働者で1月あたり1日、一人親方で0・9日ふえています。1日の平均労働時間は、昨年度結果とほぼ同水準となりました。
国が2013年から大幅に引き上げた設計労務単価(左上のグラフ参照)は、2012年との比較で35・8%と大幅に引き上がり続けているのに対し、労働者賃金で5・5%増(昨年4%増)、一人親方では7・3%増(昨年6・4%増)の上昇にとどまり、まだまだ不十分といえます。
2012年比で設計労務単価は35・8%増となったにもかかわらず、平均賃金の実態では、労働者で1万3848円(2012年)が1万4572円(2019年)。一人親方で1万7000円(2012年)が1万8241円(2019年)。設計労務単価の引き上げによって建設労働者の待遇改善をはかる国策が、いまだに現場作業に従事する仲間に届いていない実態が続いています。
労働者の公共工事と民間工事での平均賃金比較では、公共工事で761円増、民間工事で495円増となり、仕事先が「公共と民間の両方」と答えた労働者で21円の微減となりました。

賃金アンケートに寄せられた仲間の声

記述回答欄に寄せられた意見より。文末の数字は、
(経験年数・年齢)
▼現場駐車場が遠く、徒歩20分かかることがある。工程が無茶苦茶なことが最近多い。(27年・45歳)
▼某住販メーカー(実際は実名を記載)の監督が頼りない。(35年・54歳)
▼便所の数が少なく遠い。250~300人で大便2つ・小便1つと階段に2つ。13階建てで1階にしかない。(25年・64歳)
▼賃金は安いが工期が短くなっている。工期が短く応援をよぶと赤字になる。
(5年・28歳)
▼工程表に基づいた工程管理を大手ゼネコンにはしっかりとしてほしい。年間を通じて仕事の受注・計画などがたてやすくなる。
(25年・44歳)
▼前工程の仕上がりが悪い。日本語を話せない外国人。(11年・37歳)
▼地中配管を図面通りにやっていて変更させられた。
(32年・51歳)
▼賃金が上がるにつれて仕事のクオリティーも上げていかないとダメだと思う。適当な仕事をしている人も上がるのであれば不快に感じる人も出る。なのでCCUSをもっと広めていけたらと思う。(1年・23歳)
▼労働単価を上げてほしい。単価が安すぎる。
(20年・43歳)
▼突貫工事が多くなっている。しっかりした監督が少なくなっている。
(47年・67歳)
▼ゼネコン業者、仕事に入る時の書類が多すぎますよ! 税務署みたい。
(35年・56歳)

【建築ニュース1153号(2019年11月1日付)】

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