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焼け野原から人の営み守った/建設業は街をつくる仕事/職人組合が「平和を守れ」と叫ぶ理由

2023年1月3日

 2022年、世界の安全保障を揺るがす事態がおきました。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻。人の営みはミサイルの雨により、一瞬にして破壊される。世界はその現実を目の当たりにしました。私たち京建労は、1950年に結成されてから「反戦平和」を貫く組合です。「なぜ建設従事者の労働組合が平和を訴えるのか」。この運動には街づくりを担ってきた先輩たちの思いが強く込められていました。

 戦中、建設技能者は「工兵」とよばれ、戦地で土木設営する作業を担当しました。戦地では作戦上必要な施設を建設。また本土に残っていた技能者も、「建物疎開」といわれる延焼防止のために事前に建物を引き倒す作業で、自らつくった住宅の破壊を強いられたこともありました。
京建労の前身、京都自由労働組合大工支部の機関紙「土建労働新聞」第5号(1951年2月)に、朝鮮戦争の戦況について触れた記事があり、その中に「もう兵隊にはなりとうない」という技能者の悲痛な叫びが掲載されています。
都市の全てを焼きつくした第2次世界大戦。終戦後、人の営みの象徴である住宅や社会インフラを建設し、技術で平和を守り続けた建設技能者たち。私たちの組合には、「建設産業は平和でこそ」が強く刻まれているのです。

「ウクライナに平和を」/私たちは訴え続ける

 当然のことかもしれませんが、建設産業は街をつくる仕事です。青年部のある役員は、中学校での特別講義の時に生徒たちにこう言いました。「今、君たちが見えているもののほとんどは、俺たちや先輩たちがつくったものなんやで。建設ってすごい仕事やろ」と胸を張っていました。私たちの尊厳でもある「街」や「くらし」を壊す、戦争は絶対に許せません。
ウクライナでは都市が砲撃やミサイルによって破壊されました。事情の有無ではなく、私たちはその破壊行為と人殺し行為のいっさいに対し、反対を訴え続けるのです。(文責編集部)

【建築ニュース1217号(2023年1月1日・15日付)】

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