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なぜ京都の労働者も「大阪都構想」に反対したのか/身近で声の届く政治求めて

2021年1月3日

 2020年11月1日に投開票された、大阪市廃止・特別区設置住民投票(通称「大阪都構想」)は、有権者に分断を持ち込んだ結果、2015年に続いて2度目の反対多数となり否決されました。京建労では京都総評のよびかけに呼応して、仲間の代表が大阪入りして行動参加しました。「大阪市のことで、何で京建労が反対して活動したの?」との意見も届きましたので、平山執行委員長と京都総評の柳生事務局長に対談形式で振り返っていただきました。

平山 「二重行政の解消」と聞こえは良くても、真意・真実はどこにあるのか、安易に信じる人の広がりにも、京都府南部も含めて危うさを感じてきました。
柳生 「コロナの時に何をしているのか」というのも多くの人が思ったでしょう。事実と異なることをツイッターで発信する市長と対照的に、事実を草の根で広げる運動が日を追うごとに熱を帯びていくのを感じました。
平山 真実はどちらかという視点になったかと。正義か悪かではなく、住民が納得のいく政策ではなかった結果が出たと思います。
柳生 「ここで民主主義を守らなければ」という雰囲気が、投票日まで京都でも労働者の中に広がり続けたのを目の当たりにしました。他人事ではなかったのです。
平山 何で組合が政治に関わるのかと思う人もいます。我々は毎日、現場で一生懸命働く。でも、その日常だけでは選挙・政治というものに直結しにくい。しかし、技術技能に相応しい賃金や待遇を求める運動をひとつとっても、労働者に寄り添う政治を求める必要に気付かされていきます。
柳生 今回は、町の雰囲気・ようすにも意識変化を感じました。1回目の住民投票の時とは違い、「がんばってや」と声をかけられたり。
平山 政治は本来身近なものですからね。例えばアスベスト被害は国民に冷たい政治の犠牲であった。「事実を知る」このことが大切だと改めて思っています。
柳生 大阪市廃止が問われた訳ですが、組織が言う「広域行政一元化」は権限を府に吸い上げてしまうもの。「身近」とは真逆です。
平山 菅首相が誕生して「自助・共助・公助」と強調しています。「お前ら国に頼るな」と。しかし、いまどのような政策が求められているのか、身近なことから仲間と学習する必要があると思います。
柳生 維新政治の特徴は「道州制」に代表されるように大きな単位で権力を握って支配しようとする。
平山 真面目な公務員も忖度せざるを得ない政治。国も地方もそのような方向では困ったものです。
柳生 大阪都構想が2度も否決されたのに、今度は「広域行政一元化条例」「総合区案」と言い出し、次の手でやってやろうというのですから。事実と民意を広げなければ。
平山 コロナ禍で感じていますが、リモート学習なども活用して、こまめに多くの人が「知る機会」をふやして理解をひろげたい。
柳生 京建労の皆さんは、仕事自体が国民の命とくらしに直結する大事な産業。その気概で頑張っておられるので励まされています。私は医療出身ですが、患者さんが医療費を払えない時、それは治療では治せませんから、政治に求めて制度改善で患者さんを守る。
平山 職人が小規模修繕で住環境を良くするような身近さが、いまの政治には求められていますね。
柳生 様々な自治体を回りますとね、小さい町の方が細かく住民の声を聞いていると感じます。
平山 コロナ禍で特に、国民の声が届く政治を実現させなければ。屈せず頑張りたいと思います。

【建築ニュース1175号(2021年1月1日・15日付)】

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