アスベスト闘争

建設アスベスト訴訟で続く勝利判決

2020年9月10日

建設アスベスト訴訟は、東京高裁(神奈川2陣)と東京地裁(東京2陣)で相次いで判決が言い渡され、国に対しては14連勝となり、国の警告表示(掲示)の義務付けに関する規制放置の責任などへの司法判断としては、完全に確立されたといえます。
前号(1168号)でお伝えした、8月28日の神奈川2陣東京高裁判決では、一人親方も含む原告44人全員が勝訴し、国は「一人親方等」についても労働安全衛生法に基づく規制権限を行使するべき業務上の義務を認めました。一人親方に関しても、国の責任を認め、被告アスベスト建材メーカーについては、一定の割合を占めていた3社(A&Aマテリアル・ニチアス・ノザワ)の共同不法行為責任を認め、ほぼ全ての原告について被告メーカーに損害賠償を命じました。

たたかうほどに完全救済へ

東京高裁判決から7日後となる9月4日には、東京2陣訴訟に対する東京地裁判決が言い渡されて、国及び被告メーカー5社の責任を認めて、賠償責任を命じる原告勝訴の判決を言い渡し、屋外での石綿建材切断作業等(解体工)への責任を認め賠償を命じました。
これで一人親方に関しても国家賠償責任を7回連続で認め、マスク着用の義務付けや警告表示の義務付けを怠ったことによる損害賠償をすべきと判断しました。
東京地裁判決(東京2陣)では、建材メーカーについて一定の割合を占めていた5社(A&Aマテリアル・クボタ・ケイミュー・ニチアス・ノザワ)の共同不法行為責任を認め、ほぼ全ての原告についてメーカーに対する責任を認めました。
これは、アスベストが重篤な疾患を引き起こす危険物であると知りながら、十分な警告表示すら行わないままに、石綿建材を製造・販売してきた建材メーカーの責任を断罪したものにほかなりません。
4つの高裁も含めた判決で、連続して被告建材メーカーの責任が断罪されてきたことは、被告建材メーカーに対する司法判断の流れが確立されつつあることを示しており、国と建材メーカーが控訴を繰り返し、たたかえばたたかう程に、私たちが原告と共に提訴当初から訴えてきた内容に、近づいた判決がくだされる結果を勝ちとっています。(右表を参照)
一方で、「遺族原告がふえた」の北村さん(京都1陣)の言葉通り、建設アスベスト訴訟の長期化は、判決を聞くことなく亡くなられた被害者本人を多く生み出す結果ともなってきました。
「命あるうちの解決」のために、国と被告建材メーカーは早期解決に踏み出すべきであり、あわせて裁判に頼らずに十分な補償が受けられる、基金制度の創設が求められています。
最高裁弁論(神奈川1陣)という大きな節目が、10月22日に予定されています。
現在、原告を「代表選手」としてたたかってきた京建労と全建総連の組合員・ご家族のみなさんの、最高裁宛ての署名をはじめとした活動への引き続きのご協力をお願いします。
なお、次回の京都2陣訴訟の地裁期日(18回)は10月16日に開かれ、清水さん(左京)の尋問が予定されています。

【建築ニュース1169号(2020年10月1日付)】

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